篠崎誠監督と初めて会ったのは、仙台に青年文化センターができ、そこでユース・シネマ・フォーラム
という上映会が開催されたときだ。
第1回目のその映画祭には、篠崎監督のほかに、是枝裕和監督、橋口亮輔監督など
当時の若手と呼ばれる監督たちが仙台にやってきた。
今思うととても贅沢な映画祭だった。急遽スタッフになった自分に打ち上げの席で、
ピーター・ジャクソンの「乙女の祈り」のプレスをくれるという約束を残して、べろべろに酔った篠崎監督は
東京に帰っていき、あやふやな席のあやふやな約束はあやふやなまま中を舞い続けた。
その約束が果たされたのは7年後、2002年12月、東京フィルメックスの会場で再会を果たし、
プレスは必ず送ると言った素面の篠崎監督は1枚のチラシをこちらに差し出した。
「刑事まつり」
2003年の映画祭で上映するころにはこの「刑事まつり」は4シリーズ目に突入していた。
映画祭でも大好評だったこのシリーズを続けながら、劇場長編作品も撮っている、
立教大学で映画の授業もしている篠崎監督は、昨年ぴあフィルムフェスティバルで再び仙台を訪れた際、
以前制作した「留守番ビデオ」をリメイクすると言っていた。
そして2004年その約束は果たされ、2004年版「留守番ビデオ」が映画祭で上映される。
ちょこっと言っておくとこの作品結構怖い、のでこれ以上は何も言えない。
でももうちょこっと言ってしまう。観ないと後悔する、それほどおもしろい。かなりおもしろい。
映画祭の最後の最後に登場する篠崎誠ワールドは、映画を観る人にも、つくる人にも
楽しんでもらえるクロージングに相応しいプログラムである。当日は監督も登場、
みなさんの熱気で監督をまたべりべろに酔わせてほしい。
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