新しい才能に出会う
Meets emerging talent
仙台短篇映画祭の1つの柱である、公募作品上映プログラム。今年は、118本の中から選ばれたえり選りの3作品を上映します。コメンテーターには井口奈己監督を迎え、3人の監督たちとトークセッションを繰り広げます。
蝉の費やす7年
監督:和田宗衛門 2008年/日本/カラー/DV/15分
社会不適合の映像作家・蝉川一郎。親のすね齧り、童貞、認められない映像作品…
焦りがつのる毎日は、あたかも蝉が地面で過ごすような長い日々だ。そんな蝉川の前に、一人の女性が現れる。
牛乳王子
監督:内藤瑛亮 2008年/日本/カラー/16ミリ/15分
恋心を寄せる同級生・安藤舞の前で痴態をさらし、女子たちに笑い者にされた老け顔の中学生・加藤真が自殺した。彼の怨念は、殺人鬼・牛乳王子を生む。脅えるボンクラ男子中学生の歪んだ恋愛を描いたラブストーリー。
Snow lesson
監督:外山光男 2009年/日本/カラー/DVD/5分
友人が教えてくれた雪の日の小さなオーケストラ。でも、雪のせいで音はなにも聞こえません。春になったら聞こえるのかな?そんなひそやかな願いにまつわるお話。
少年不載花〈映画祭推奨作品〉
監督:ツァイ・チェンシュ 2007年/台湾/カラー/37分/
彼女もいて順風満帆なはずなのに、最近、誠に会うと、なんだか変な気持ちになる。僕はどうなっちゃうんだろう・・・。監督の瑞々しい感性が、少年少女の揺れ動く感情を丹念に描き出す。台北映画祭2008 台北アワード入賞。
和田宗衛門/Souemon Wada
1980年生まれ。学生時代から自主映画を制作。
CM制作会社を経て2007年から映像演出を開始。5、6本のオリジナルビデオを監督。
内藤瑛亮/Eisuke Naitou
1983年生まれ。映画美学校フィクションコース11期生。『消えて下さい。』が横浜映像天国2009にて上映、ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2008オンライン部門MSNビデオアワードでは最終選考にノミネート、HPにて配信される。『教育刑事』が第12回調布ショートフィルム・コンぺティションに入選。
映画美学校初等科修了製作の本作は、ひろしま映像展2009・第一回ルナティックショートムービーフェスティバルにて上映された。
外山光男/Mitsuo Toyama
1982年生まれ。
NHK「デジタル・スタジアム」デジスタ・アウォード2005映像部門グランプリ、イメージ・フォーラムフェスティバル2006入選
ツァイ・チェンシュウ(蔡辰書)/TSAI Chen-Shu
1985年台湾・花蓮生まれ。若干23歳で、台北の新しい才能が集う台北映画祭2008台北アワードにて入選。これからの活躍が期待される新鋭監督。
ゲストコメンテーター井口奈己/Nami Iguchi
1967年東京都生まれ。黒沢清監督や矢口史靖監督らの現場にスタッフとして参加した後、初めて自主製作した8ミリ映画『犬猫』でPFFアワード2001の企画賞を受賞。更に日本プロフェッショナル大賞新人賞にも輝く。
2004年にはその『犬猫』を35ミリでセルフ・リメイクし、商業用映画デビュー。同年のトリノ国際映画祭にて審査員特別賞、国際批評家連盟賞、最優秀脚本特別賞を受賞。2008年、劇場用映画第2弾の『人のセックスを笑うな』が公開され、ロングランヒットとなる。
現在、次回作に向け準備中。