永遠の異邦人
~土本典昭と福田克彦にみるドキュメンタリー映画のかたち~
Eternal Foreigner
日本の戦後史を考える上でも重要な意味を持つ水俣と三里塚。
社会問題という枠を超え、そこに生きる人びとと向き合い、終生作家として表現し続けた二人のドキュメンタリストの姿勢は、今なお私たちに多くのことを教えてくれます。

※水俣=熊本県の水俣病の舞台となったところ、またそこに生きる人びとのこと。
※三里塚=千葉県の成田空港建設予定地となったところ、またそこに生きる農民たちのこと。
海とお月さまたち
監督:土本典昭 1980年/日本/35mm/カラー/50分
制作:日本記録映画研究所
幼少期の子どものために作られた映画。水俣病に関する直接的な言及はなく、水俣病が浸透する以前の不知火海の生活に視点が当てられている。不知火海に生きる魚と漁師の知恵比べと、それを育み照らす月を描く。
土の行進
監督:福田克彦 1981年/日本/8mm(上映はVHS)/カラー/51分
制作:三里塚ノート・フィルム
政府によって与えられる用水に依存しない三里塚の青年たちが、潅漑用水を確保しようと独自の方法で田圃を改良していく姿を追った作品。福田克彦と三里塚の青年たちの長年にわたる関係がよく現れている。
ドキュメンタリー映画史特別講座 村山教室体験入学!
村山匡一郎さんと一緒に、ドキュメンタリー映画史について楽しく学んでみませんか?
一時間目の通史篇では上映プログラムの味わいがより深まる話題を、二時間目の実践篇では現在進行中のドキュメンタリー界での議論を扱います。

一時間目(通史篇)15:20~
  • ドキュメンタリーという言葉の誕生
  • 文化映画と記録映画
  • ダイレクト・シネマの登場
    などの内容を予定

二時間目(実践篇)16:30~
  • セルフドキュメンタリーの展開
  • カメラの記録性と表現性
  • 映像の主観性と虚構性
    などの内容を予定

場所:7階スタジオ 各回60分程度
参加費:無料 要事前申込み

内容・お申込み方法:お名前、電話番号もしくはメールアドレスに「ドキュメンタリー講座参加希望」と明記の上、info@shortpiece.comへお申し込みください。
村山匡一郎/Kyoichirou Murayama
1947年生まれ。早稲田大学大学院で映画学を学び、映画評論家、映画研究者として現在に至る。武蔵野美術大学、イメージフォーラム研究所、多摩美術大学などで教鞭を振るうほか、山形国際ドキュメンタリー映画祭を含む様々な映画祭の審査員等を歴任。著書に「映画は世界を記録する-ドキュメンタリー再考」、「ドキュメンタリー;リアルワールドへ踏み込む方法」など。