2011年の東日本大震災の後、本映画祭ゆかりの41名の監督たちによって、3分11秒の短篇から成るオムニバス『明日』がつくられた。『明日』制作課程で生まれたもうひとつの物語－知られざる「明日」や、本作を経て生み出された新作を、一挙上映します。

プロレスジムの練習生・吾郎には、リングに立つことなどまだ先の話であった。ところが、伝説の覆面レスラーである父が世間を騒がす時の人となり、吾郎までも注目を浴びてしまう。過酷な練習に体を痛めながらも、仲間の期待を受け、無言のまま試合に向かう彼を待つものは…。

戦後66年間を地中で過ごしたセミが、地震や津波、そして放射線の被害を受けながらも、土地に愛着を抱いて生きる物語。タイトルは「戦後66年の3月11日に起きた4基の原発事故」を指す。毎日映画コンクール大藤信郎賞を受賞。

借金取りに追われ、誕生日に自殺しようと思っている女。バースデーケーキを注文した店のパティシエが、摩訶不思議なお菓子作りに日夜励んでいるとは知るよしもなかった。いよいよ首を吊ろうというその瞬間、ケーキから飛び出してきたのは…。

本映画祭制作『明日』に参加した近似値未来SFのロングバージョン。電気と人との対立関係で荒れすさんだ惑星。そこに住む自転車修理屋の兄妹を取り巻く人々を描く。

とある田舎町のとある一軒家。清壱は、このところずっと機嫌がよくない。一人娘の英里子から、結婚の挨拶のため、彼氏を連れて帰省すると連絡があったのだ。娘たちがやって来るという矢先、突然大きな揺れが町を襲う。

子供を宿す女性の胎内は、いわば神秘的な小宇宙。三人の「或る女」の中に存在する宇宙を、心象的な映像で表現する。

新たに築かれる街を描くため、測量機材を抱えた6人の男が、荒野となった町にやって来た。しかし、制御できない存在の到来に、彼らは目を背ける。それが、物語の始まりだった。震災後の昨年７月に、陸前高田市で撮影された意欲作。

仙台短篇映画祭11の後日談。私は、高度3000mの上空を飛ぶヘリコプターから、水澤が落ちて行くのを目撃した。そのとき初めて、彼のとんでもない企て に気付く。

初めての履歴書を書いたのは、高校２年の時だった。
バイトに応募しようと言ったのは、ユミちゃんだった。
ユミちゃんと履歴書、ユ ミちゃんと私。 今も忘れない夏のある一日の記憶。