第16回 文化庁メディア芸術祭優秀作品上映
<無料上映>
1Fオープンスクエア 21日(土)~23日(月) 10:00~  
第16回文化庁メディア芸術祭受賞作品~映像プログラム(60分)~
国内外から作品を広く募集し、優れた作品を顕彰するメディア芸術の総合フェスティバルである文化庁メディア芸術祭。平成24年度[第16回]アート、エンターテインメント、アニメーション各部門の受賞作品と審査委員会推薦作品の中から、多様な短編映像作品により編成した8作品、60分のプログラムです。
永野 亮「はじめよう」
監督:新井 風愉 ©株式会社チャプター 6分43秒
永野亮のシングル「はじめよう」のミュージックビデオ。ワイヤーや合成技術を使わずに、簡単な工夫だけで「空中浮遊」映像を実現している。自分たちなりの方法でファンタジックな映像をつくリ出すというDIY精神は、「はじめよう」という楽曲のメッセージにも通じる。ウェブ上では、舞台裏と見比べられる「裏ヴァージョン」も同時公開し、裏表両面でひとつの作品として反響を呼んだ。エンターテインメント部門新人賞。
石橋 英子"imitation oflife"
監督:TAKCOM ©SPACE SHOWER NETWORKS INC./ felicity / ISHIBASI Eiko / TAKAFUMIi Tsuchiya 4分15秒
ジム・オルーク・プロデュース、シンガーソングライター石橋英子がバンド「もう死んだ人たち」とつくった4thアルバム『imitation of life』からタイトルトラックのミュージックビデオ。アニメーションで構成された点描画のような風景と、緊張感のある演奏が終わりに向かってダイナミックに渾然一体となるよう表現した。エンターテインメント部門審査委員会推薦作品。
ハイスイノナサ「地下鉄の動態」
監督:大西 景太 ©大西 景太 4分22秒
残響レコード所属ハイスイノナサの1stフルアルバム『動物の身体』からの1曲「地下鉄の動態」のミュージックビデオ。各楽器の1音ごとの動きと質感に同期した幾何形体アニメーションが「地下鉄」を形づくりながら楽曲を構成する。エンターテインメント門新人賞。
開かれた遊び、忘れる眼
監督:ALIMO ©ALIMO/TokyoUniversity of the Arts 6分14秒
シュルレアリストによる「甘美な死骸」を方法論の核としたアニメーション。絵を描く日々のなか、何日か経てば自ら描いた絵も忘れてしまうことがある。黒い支持体がスライドすることにより、絵は別の絵と偶然に結びつき、新たなイメージを誘発する。本作はそうした忘れたイメージを繋いでいく[※下線部に傍点あり]という遊びである。アニメーション部門審査委員会推薦作品。
就活狂想曲
監督:吉田 まほ ©Maho Yoshida/ Tokyo University of the Arts 7分27秒
就職活動をテーマとした短編アニメーション作品。ごく普通の大学生として過ごしてきた主人公。ところが近頃友人たちの様子がおかしい。聞けば、彼らは“就活”に躍起になっているらしい。それがいったいどのようなものなのか見極められぬまま、主人公もまた「ニッポン式就活」の渦中へと引きずり込まれていく。アニメーション部門審査委員会推薦作品。
布団
水尻 自子 ©水尻 自子 6分02秒
布団のなかに入る。頭に浮かぶ記憶、想像する此の先、思い起こす感触、染みついた性、何もかも一緒に気持ちよくとろけていく。布団のなかで身体が感覚を求めて彷徨う……。紙に作画し、それをトレーシングペーパーを通して画面に取り込むことでやわらかい質感を作り出している。動きと感覚の連鎖をテーマにした作品。アニメーション部門新人賞。
グレートラビット
監督:和田 淳 ©Sacrebleu Productions- CaRTe bLaNChe -Atsushi Wada – 2012 7分12秒
かつてわれわれは自分たちとは違う、崇高で深遠で神秘的な存在を「グレート」を付けて呼んでいた。それはまさにグレートで、その存在を信じる者と信じられる世界がひとつであった。時代は進み思考や思想がそれまでのものと変わり、ついには信じられていたものが信じられなくなった今、いまだにグレートと呼ばれ続けるその存在のグレートたる由縁は何なのか。Sacrebleu Productions(仏)とCaRTebLaNChe(仏)の共同製作で「不服従」をテーマに制作された作品。大きなタマを抱え一列に並ぶ子どもたち。そのタマにそっと手を添えていくウサギのような人型の生き物とそれを見守る眼鏡の幼児。タマを狙うテンのような動物と子どもの服を奪っていく鳥。そして神棚に祀られ何かを食べ続けるウサギ。0.3mmの細い線と淡く抑えた色味でこれらの登場人物や背景を描き、服従しないこととはどういうことなのかを表現した。アニメーション部門優秀賞。
火要鎮
監督:大友克洋 cSHORT PEACE COMMITTEE 12分43秒
18世紀中頃の江戸の町。商家の娘「お若」と幼馴染の「松吉」。惹かれ合う2人であったが、松吉は家を勘当され町火消しとして生きる。そんなさなか、お若の縁談の話が進み始めた。松吉への思いを忘れられない彼女の狂った情念からの行動は、大火事を引き起こし江戸の町を焼き尽くす。その大火のなかで再びめぐり合う2人。巨大都市江戸の大火を舞台としたスペクタクル。本作は、伝統的な日本画の画風を映像表現のモチーフとし、舞台である300年前の東京(江戸)の風俗や道具、生活を再現する描写にこだわった。また、作画のアニメーションの表現と3DCGによる表現を融合させ、斬新な映像表現を実現した。アニメーション部門大賞。