リアルなものこそフィクションを生みだす。
ジョアン・ペドロ・ロドリゲスの世界
Hプログラム 22日(日)16:30~
ジャン・ジュネやファスビンダーらの系譜を受け継ぐ彼の作品は、現実のリアルな描写に根ざしつつも、濃厚な夢や幻想、性的な妄想がきわめてパワフルな映像の中で繰り広げられる。世界が注目するポルトガルの新星、ジョアン・ペドロ・ロドリゲス監督の短編作品を特集。
『羊飼い』 
1988 年/ デジタル上映/6 分  
リスボン映画演劇学校の卒業制作として撮られた、ある羊飼いの一日をとらえた処女 短編。

『ハッピー・バースデー!』 
1997 年/ デジタル上映/14 分

第54 回ヴェネチア国際映画祭審査員特別賞受賞作品。
『チャイナ・チャイナ』 
2007 年/ デジタル上映/19 分

愛のない結婚生活を強いられながらリスボンの街を生きる、若い中国人の母親の姿を 描く。

『聖アントニオの朝』 
2011 年/ デジタル上映/25 分

祭りの後の静寂や疲労して帰宅する若者たちの姿からインスピレーションを得てつく られた短編。

ジョアン・ペドロ・ロドリゲス(Joao Pedro Rodrigues)とは?
66 年ポルトガル、リスボン生まれ。00 年の処女長編『ファンタズマ』がヴェネチア国際映画祭プレミア上映、2 作目『オデット』はカンヌ映画祭で特別賞、3 作目『男として死ぬ』は「カイエ・デュ・シネマ」誌の09 年間ベストテンにランクインしている。12 年、『追憶のマカオ』がトリノ映画祭ドキュメンタリー部門でグランプリを獲得。カンヌ映画祭批評家週間短編部門で審査委員長を務めた。
大寺眞輔 おおでら しんすけゲスト来場

映画批評家、早稲田大学教育学部講師、アンスティチュ・フランセ横浜シネクラブ講師、DotDash主宰、Dravidian Drugstore主宰。
「カイエ・デュ・シネマ・ジャポン」でデビュー。「キネマ旬報」などの雑誌や産経新聞など、さまざまな媒体で執筆。「金曜たぶろっど!」「関根勤の映画の時間」などテレビにも出演。「現代映画講義」(青土社)や「黒沢清の映画術」(新潮社)など著書も多数。2004年より横浜日仏学院(現アンスティチュ・フランセ)でシネクラブを開催。2013年、DotDashを立ち上げ、ジョアン・ペドロ・ロドリゲス・レトロスペクティヴを実行した。2013年秋より、新文芸座にてもう一つのシネクラブを開始する予定。