ヴィム・ヴェンダース短編作品特集 - 仙台短篇映画祭 2024
Cプログラム

9/21(土) 16:30-18:00ヴィム・ヴェンダース短編作品特集

『パリ、テキサス』(1984) や『ベルリン、天使の詩』(1987) など多くの名作を世に放ち、『PERFECT DAYS』でも大きな話題を呼んだドイツの名匠、ヴィム・ヴェンダースの原点に迫る傑作短編3作品を東北初劇場公開!

SAME PLAYER SHOOTS AGAIN セイム・プレイヤー・シューツ・アゲイン1967年/西ドイツ/12分

監督:ヴィム・ヴェンダース
© 2015 Wim Wenders Stiftung
あらすじ
1967年にミュンヘン テレビ・映画大学で制作された、ヴィム・ヴェンダースにとって2作目の短編映画。1作目の「SCHAUPLÄTZE」は同年に制作されたが、所在不明となっている。2015年に16mmオリジナルフィルムよりデジタル処理された2Kレストア版。
ヴェンダースの最初の短編映画「SHAUPLÄTZE」は紛失してしまったが、その作品のフィルムで残った2つのショットが本作の最初の2ショットとなった。モノクロで撮影されたこの映画には、実際のプロットはなく、銃を持った男が苦しそうに走り続ける約2分間のショットが合計5回続けて映し出される。最初はモノクロで、その後同じショットが緑、黄色、赤、青と続く。最初のショットはオーケストラの音楽で、その後はサウンドトラックのノイズだけが聞こえる。5回目の繰り返しの後、黒い背景に「TILT」というテロップが短く表示され、さらに数秒間、走る車の車内から撮った風景が映し出される。ヴェンダースは「5つのボールで遊ぶピンボールから着想を得た」と語っている。


SILVER CITY REVISITED シルヴァー・シティー・リヴィジテッド1968年/西ドイツ/33分

監督:ヴィム・ヴェンダース
© 2015 Wim Wenders Stiftung
あらすじ
1968年の夏にミュンヘンで制作された、ヴィム・ヴェンダースにとって5作目の短編映画。2015年に16mmオリジナルフィルムより4Kスキャンされた後 、2Kレストアされた。
「ミュンヘンで学生時代に住んでいた時にアパートメントからの眺めがとても印象的だったんだ。あの頃はポストカードのコレクションもしていた。それから、映画大学の屋根裏部屋で「Mood Music」というタイトルがつけられた78枚の古いSPレコードのコレクションを見つけた。その中にあった楽曲を、ミキシングせずに、16ミリ映写機を使って直接フィルムのオーディオトラックに録音した」とヴェンダースは語る。映画は主に窓から見た交差点や道路に自動車が往来する風景やポストカードの静止画で構成されている。


REVERSE ANGLE リヴァース・アングル:ニューヨークからの手紙1982年/西ドイツ/18分

監督:ヴィム・ヴェンダース|出演:ヴィム・ヴェンダース、フランシス・フォード・コッポラ、イザベル・ヴェンガルテン
© 2015 Wim Wenders Stiftung
あらすじ
1982年3月にニューヨークで撮影された。フランスのテレビ局から「ニューヨークからの手紙」という番組を提案されて撮られた「日記映画」の試作。本来は数年にわたって制作すされる予定だった。ヴェンダースがフランシス・フォード・コッポラの製作総指揮の下、ゾーエトロープ・スタジオで撮った初のアメリカ映画『ハメット』(1982)の製作過程で遭遇した問題やヨーロッパとハリウッドにおける映画撮影プロセスの違いについての想いをヴェンダース自身のナレーションで語っていく。2015年に16mmオリジナルフィルムより4Kスキャンされた後、2Kレストアされた。
1980年にヴィム・ヴェンダースは、フランシス・フォード・コッポラに招かれ彼の製作総指揮の下、ゾーエトロープ・スタジオで『ハメット』を撮った。当時の妻イザベル・ヴェンガルテンとニューヨークに滞在し、3班に分かれて作業する編集スタッフと編集を行いながらアメリカでの映画製作が工場的なことに戸惑う。コッポラとの製作中の様々な意見のやりとりや確執を乗り越えて映画を完成させる中、彼はその時に感じたことを込めた『ことの次第』(1982)を撮る。ヴェンダースは様々な想いを抱えながら16㎜カメラを手にニューヨークの街をスケッチしていく…。
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