岸野雄一の「聴く映画」 - 仙台短篇映画祭 2022
Eプログラム

6/26(日) 13:50-16:40映画の音の魅力を知る 岸野雄一の「聴く映画」

映画のワンシーンにも、たくさんの音や音楽の効果が溢れている。映画と音楽の素敵な関係を岸野雄一さんの解説で「映画を聴く」プログラム。

風船1956年/110分

監督・脚本:川島雄三|脚本:今村昌平|音楽:黛敏郎|原作:大佛次郎(毎日新聞連載、新潮社版)|撮影:高村倉太郎|照明:大西美津男|録音:橋本文雄|美術:中村公彦|編集:中村正|助監督:今村昌平|製作主任:林本博佳|スクリプター:堀北昌子|出演:森雅之、三橋達也、北原三枝、芦川いづみ、新珠三千代
©️日活
あらすじ
かつて天才画家と謳われた画壇を捨て、実業界に転じた村上春樹は、今では写真工業会社の社長として大なる地位と確固たる地盤を築いていた。年よりも若く見える妻・房子は、悩みを抱える性質ではなく、かつては質屋通いをして不況の夫を助けた。三十歳にして父の会社の部長をつとめる息子の圭吉は、それが親の七光りと知りながらも利用する思考を持つのは母親譲り。娘の珠子は幼い頃に病んだ小児麻痺のため身体が弱く、部屋に閉じこもって絵を描くことを好んだが、心は常に明るさと誠実さを失わず、父親ゆずりの気性の持主だった。現代人の持つ端的な要素を村上家の人々は持ち、一つの葛藤が、この現実の中を大きく流れていく―。日本画家・山口純峰の告別式で会った山口の令息・都築正隆は、ナイトクラブのマネージャーをしていた。圭吉の愛人・久美子は、戦争で夫に戦死され、困窮してバーで働くうちに圭吉の世話になるようになった。圭吉に尽くす久美子の誠意は、誠実な心の持ち主・珠子に慕われた。一方、常に利用することが信条の正隆は、シャンソン歌手の三木原ミキ子のパトロン目的で、お坊ちゃん育ちの圭吉に接近させた。久美子をわずらわしく思う圭吉は、ミキ子の誘惑に惹かれていく…。
エゴイスティックな現代の冷たい世界の中、真の幸福は果して何処にあるのだろう。日活自慢の豪華文芸大作。
岸野雄一 きしのゆういち

勉強家(スタディスト)、東京藝術大学大学院 ・非常勤講師、美学校音楽学科・主任。第19回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門大賞受賞。ヒゲの未亡人、ワッツタワーズ、スペースポンチ、流浪のDJ、ほか。

© 2001-2022 仙台短篇映画祭実行委員会