まなざしの魅力 ー河瀬直美から見た世界ー
Magnetism of straight eye -picture of world in eyes of Naomi Kawase-
カンヌ映画祭にてカメラドールを史上最年少受賞。それから10年、河瀬直美は、長編最新作「殯の森」で今年グランプリを受賞した。彼女は、ライフワークとも言える数々の私的ドキュメンタリーの中で、家族との会話や触れ合いをとらえ、出産や家族の喪失を真っ直ぐに見つめ続ける。美しい日本の風景描写だけにとどまらない、 河瀬直美監督独自のまなざしを、是非あなたも見つめてほしい。
垂乳女/Tarachime
監督:河瀨直美
出演:河瀨宇乃、光祈、河瀨直美
2006/日本=フランス/カラー/VHS/43分
自らの出産経験を通して、養母の宇乃と生まれてきた息子である光祈との3人の家族の絆、そして「いのちのつながり」を描く。自身の家族を撮影した河瀨直美の一連のドキュメンタリー作品の続編的位置づけにもある作品。
影-Shadow-
監督:河瀨直美
撮影:山崎裕、中野英世
出演:葉子、山崎裕
2004/日本/カラー/VHS/26分
打ち合わせなし、シナリオもなし。即興で作られていく人生の一瞬は、河瀨直美のまなざしによって一つの物語へと編まれてゆく。ドキュメンタリーとフィクションの壁を超えた作品。
河瀬直美/Naomi Kawase
映画作家、一九六九年、奈良生まれ。一九八九年大阪写真専門学校(現ビジュアルアーツ専門学校)映画科卒業。自主映画『につつまれて』(92年)、『かたつもり』(94年)が、九五年の山形国際ドキュメンタリー映画祭でそれぞれ国際批評家連盟賞、アジア部門奨励賞を受賞し、国内外で注目を集める。翌年、奈良県西吉野を舞台に撮影した劇場映画デビュー作『萌の朱雀』(96年)で、九七年カンヌ国際映画祭カメラド-ル(新人監督賞)を史上最年少受賞。二〇〇〇年に公開された『火垂』は、スイスのロカルノ国際映画祭コンペティション部門でワールドプレミア上映され、国際批評家連盟賞、ヨーロッパ国際芸術映画連盟賞をダブル受賞。これまでにイタリアのアルバ、パリ、ロサンゼルスでレトロスペクティブ(回顧上映)が開催されるなど、その表現世界は海外でも高い評価を得ている。
自身の出産を通じて、連綿と続く人間の営みを見つめた最新ドキュメンタリー作品「垂乳女 Tarachime birth/mother」(2006)は、スイス・ロカルノ映画祭、台湾ドキュメンタリー映画祭、コペンハーゲンドキュメンタリー映画祭で受賞を重ねている。映像表現のみならず、小説やエッセイの執筆、新聞の発行など、さまざまなジャンル表現活動を展開している。
公式サイト http://www.kawasenaomi.com/

主な監督作品
『杣人(そまうど)物語』(99年、ニオン国際映画祭特別賞受賞)
『万華鏡』(99年)
『きゃからばあ』(01年、仏テレビ局アルテ社との共同制作)
『追憶のダンス』(02年)
『沙羅双樹』(03年、カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品)
『影―Shadow』(05年)
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