Jo napot kivanok!~ハンガリーよりこんにちは!
10月13日(月・祝)12:30より上映されるIプログラム『ハンガリアン・フォークテイルズ』にむけて「ハンガリーってどんな国?」の疑問をちょっとずつ解決いたします!
ハンガリーの文化がすこし身近に感じられるようになりますよ!
vol.3 ~ハンガリーってどんな国?~【料理編】
13日に行われます「ハンガリーお話ひろば in メディアテーク」では、絵本のリーディングの前に、仙台で暮らしているハンガリー人のアナさんとミランさんをお呼びして、「ハンガリーってどんなとこ?」の疑問に答えていただくミニカルチャー講座を行います。ガイドブックには、いろんな種類のパプリカが取れるってことや温泉が多いとか、名前の表記が日本と同じで、「苗字→名前」だってことは書いてあるけど、他にはどんな文化があるんでしょう?
今からとっても興味津々です。
そこで、まずは当日が待ちきれない皆さんへ、誰もが気になる"食べ物"の話を!
読んでいるだけで、おなかがへってきちゃいますよ~。
【Anna編】
ハンガリー料理はとてもバラエティー豊かです。冷製、温製スープ、野菜シチュー、ステーキ、焼肉、デザート、パンケーキ、グーラッシュ(パプリカで味付けした牛肉と野菜のシチューで、ハンガリーの代表的な料理)のような多数の伝統料理、ポルコルトまたは漁師風スープ(haraszle)等。ハンガリー料理は様々な種類のチーズ、野菜、また、豚肉、牛肉、ラム肉、鶏肉、ウサギ肉や野生動物の肉等様々な種類の肉、ハンガリーソーセージ、麺類、じゃがいも、ライス、そして様々な種類のスパイスを使います。ハンガリー料理は辛いものが多いです。甘辛い赤パプリカは、よく使われるスパイスです。また、黒胡椒、マジョラムやキャラウェーシードもよく使われます。パプリカパウダー、ラードと玉ねぎのコンビネーションは、ハンガリー料理の典型的な組み合わせです。

*グーラシュ (Gulyasleves)
グーラシュは、火にかけた大釜で家畜飼いによって作られた典型的なポタージュスープです。材料は、牛肉、玉葱、野菜とパプリカパウダーが一般的です。牛肉は厚切りにし、塩コショウをしておきます。そして、スライスした玉ねぎと共に油またはラードで焦げ目がつくまで鍋でサッと炒めます。赤パプリカパウダーと水を加え、ぐつぐつ煮ます。しばらくしたら、にんにくと野菜の出汁(人参、パースニップ(アメリカボウフウの根)、ピーマン、トマト等)を加えます。赤パプリカ、ベイリーフ、キャラウェーシードのようなスパイスとハーブもお好みで加えてもOKです。スープにとろみを出す為に、角切りにしたじゃがいもを加えます。白ワインを少量加えて出来上がり。パンと一緒に召し上がれ。

ポルコルト
ポルコルトは、グーラシュとはまた違ったお肉のシチューです。"ポルコルト"という名前の由来は、"焼く"という意味の"porkolni"という表現からきています。 ハンガリー料理は、たくさんの種類があります。ポルコルトは、刻んだ肉、玉ねぎ、赤パプリカパウダー、ピーマン、にんにく、トマトとマージョラムで作ります。ポルコルトにはたいてい豚肉、牛肉、ラム肉、アヒル肉、鶏肉が使われます。
漁師風スープ(Halaszle)
漁師風スープは、辛い魚のスープです。材料は赤パプリカパウダー、玉ねぎ、ラードと川魚。調理法は、ハンガリーのダヌベ川サイドとティスザ川サイドで異なります。

【Milan編】
Annaが挙げたものとは別に、パプリカチキンとホルトバージパンケーキをご紹介します。

まず一つ目は、とても簡単なお料理です。
1)玉ねぎ、トマト、ピーマンを鍋で炒め、水、鶏肉(もも、手羽等何でもOK!)を加え、更に赤パプリカパウダーを加え、鶏肉が柔らかくなるまで煮ます。
2)煮詰まる前に、小麦粉とサワークリームを混ぜ合わせたものを1に加えかき混ぜる。
3)オススメは、これを小さなダンプリング(小麦粉を練り合わせた団子のようなもので、ハンガリー語で"nokedli"という)と一緒に食べることです。
ただ、これはやや難しいので、料理の苦手な方はライス、マッシュポテト、またはパンと一緒に食べるのが良いでしょう。
ホルトバージパンケーキは、ミートソースの詰まったパンケーキにサワークリームがトッピングされたものです。ミートソースをパンケーキに詰めた後、サワークリームをのせてオーブンへ。(ホルトバージはハンガリーの大平原地帯の名前です)

協力:Mosonyi Milan、Kiss Annamaria
英語翻訳:中村菜穂子
2008年10月5日
vol.2
13日(月・祝)のIプログラム:ハンガリー・フォークテイルズを見た後は余韻を楽しみつつ、スタジオaにて、ハンガリー絵本「ツェルセルーシュカ」(マリア・ホルヴァット作)の読み聞かせを行います。
絵本を読んでくださるのは、仙台朗読奉仕の会の皆さんです。今回は、メンバーの一人、長久保明美さんから一言、いただきました。
仙台朗読奉仕の会の皆さんは、通常、録音図書の作成やせんだいメディアテークにて視覚障害を持つ方々のサポートとして、対面朗読などを行っている団体です。スクリーンとはまた違ったハンガリー民話を味わっていただきたい!!
なんと、入場無料です。
メディアテークからこの読み聞かせのお話をいただいた時、正直びっくりしました。「短編映画祭」のプログラムの中での読み聞かせだというのです。一体何を?どうやって?そして、内容を聞いてさらにびっくり。ハンガリーの絵本の読み聞かせ、しかもアニメーション映画とのコラボレーション?!民話や昔話を朗読することはありますが、こういう企画は初めてです。なんだかわくわくします。
先日、朗読する絵本の原稿をいただきました。ホルヴァット・マリア作「ツェルセルーシュカ」。題名だけでも舌をかみそうです。一体何のことでしょう?読んでみると、女の子の名前だということがわかりました。物語は、…おっと、これをここでお話しするわけにはいきません。でも、読んでみると、グリムやアンデルセンの童話にも、日本の民話にもどこか似ています。世界中どこへ行っても、人の思い、妬み、悲しみ、喜びなどは、一緒なのだな、人間ってみんなおんなじなのだな、と思いました。でも、お話は不思議な展開です。そして同じ作者の手による絵が、とても独特で美しい。ハンガリーという国はどんなところなのかと、想像の翼が広がります。
当日、会場のみなさまと、ハンガリーの民話の世界をたっぷり楽しみたいと思っています。どうぞよろしくお願いします!
(仙台朗読奉仕の会 長久保 明美)
2008年9月25日
vol.1 ハンガリー:特殊と融合の国
 ヨーロッパを旅すると、数日もすればその国の言葉がなんとなくわかってくるもの。聞いてわかるわけではなくても、道路の表示、看板、地下鉄の切符売り場など、必要な単語は目に焼きついてくるものでしょう。たとえば、フランスからイタリアに行っても、チェコからスロヴァキアに行っても、なんとなく見たことのある単語があるように見えて初めての国での不安感が少しだけ減る感じがするものです。
 ハンガリーに限ってはそうはいきません。西隣のオーストリアから来ても、北隣のスロヴァキアから来ても、あるいは東のルーマニア、南のクロアチアやセルビアから来ても、意味が浮かんでくる単語はほとんどない。見慣れたローマ字で書かれているにもかかわらず、まったく意味がイメージできないのです。これは、ハンガリー語がヨーロッパの他の多くの言語とはちがって、中央アジア系の別系統の言語だからです。
 ハンガリー語を学び始めると、ハンガリー人に必ず言われることがあります。「ハンガリー語は難しいだろう?世界で一番難しいんだ!」・・・いやいやそんなことはありません。日本人にとってはむしろ簡単なくらいなのですが、ハンガリー人の自意識はそんなもの。自分たちがとても特殊な人々だと思いたがっているのです。
 とはいえ、ハンガリーが位置するのはヨーロッパのど真ん中。ハンガリー人の祖先がこの地にたどり着いたのが約1100年前。まわりはゲルマン系のドイツ語や、ラテン系のルーマニア語、さらにはスラブ系のスロヴァキア語やセルビア語を話す人々に囲まれ、はたまた宗教ではカトリックとギリシャ正教の境界線の真上に位置する環境は、ハンガリー人たちを文化的な融合の道にすすませました。この地ほど、多様な宗教の教会が古くから共存していた国はヨーロッパではほとんどないでしょう。あるいはお酒!ヨーロッパ北方のビールやウォッカ、南方のワインや果実酒・・・多様な風土・文化に根ざした酔いの友をハンガリー人は長く愛してきたのです。
 ハンガリーの民話にもこうした特殊性と融合性が色濃く映し出されています。ヨーロッパからアジアにかけての多くの人々の民話の要素をふんだんに取り込みながら、独自に組み替え、読み替えながら、そして「世界一難しい」ハンガリー語の言葉遊びを盛り込みながら展開する民話の数々。子供向けのお話でも、必ずしもハッピーエンドに終わらない意外な展開。すべては、ヨーロッパのただなかで周囲に融合しながらも、常に独自性を追及してきたハンガリー人の心性がそこに現れているのです。

秋山晋吾(北海道大学スラブ研究センター研究員)
写真提供:秋山晋吾
2008年9月5日
NEWS & TOPICS
  • 9月29日
    プレミア上映告知、「神童」への山尾敦史さんのコメントを掲載いたしました。
  • 9月5日
    予告編ページ、特別企画「ハンガリーからこんにちは!」、2008年度ケータイサイトオープンしました。
  • 7月25日
    2008年度ホームページリニューアルしました。
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